ユーチューブ,ワードプレス,漫画,イラスト,デザイン,ボディペイント,製作,好き,趣味,,悟水晴,Gosuisei,

アトリエライフワークス(Atelierlifeworks)のおもしろ箱

~好きをデザインしてライフスタイルへ融合~

陸 その2

読了までの目安時間:約 7分

 


そしてデート当日、
待ち合わせ場所に行ったらそこにはあの女性が本当にいる。

よくよく考えると何ら不思議でないのだが、
当時の俺にすればものすごく嬉しい事だった。

買い物に行く事だけは決まっていたので、
集合場所近くの繁華街へ。
もともとウインドウショッピングは好きな方なので問題ないのである。

リサーチ段階では

・彼氏ナシ

・大卒でDTPの仕事がしたいが就職口がない

・イベント好き

という事くらい。

当時、
ケータイ持つ人も増えてきたがPHSもまだ奮闘していた時代、
もちろんPCの使用目的がホームページを見たい!
メールをしたい!で十分な時代だった。

加えて、
その年上の女性は携帯電話を持たない主義
、かといってその女性は家族住まいだ。

家の固定電話にかけるのは気が引ける。
それはお姉さんも一緒だったらしい。
【電話 = 要件を伝えるもの・仕事で使うもの】として育った世代だからなおさらだろう。

今と違い
、学生や学生に毛の生えた年くらいの個人同士がすぐに連絡が取るにはまだまだ敷居が高かった時代である。

結局相手を知りたいとすれば、
それは会うのが一番の近道となる。

ただ、
会話が苦手な俺は何をどう切り出せばいいかがわからない。

会話らしい会話は買い物の合間の休憩時だけだっただろうか。

さすがはお姉さん、
しっとりと落ち着きマシンガンのようにしゃべるわけではないが無口なわけでもない。
うまい具合に俺がしゃべれるように話題を振ってくれる。

そして、
夕方になりバイトの時間が近づく頃、
準備のため、一度、各々が帰路へつく。

俺は楽しかったけど、
お姉さんはどうだったんだろう?

そんな事を考えながら、
1度家に帰った。

バイト先へ行くとさっきまでデートをしていたお姉さんは既に仕事準備完了。
さっきまで、一緒に遊んでいたとはとても思えない雰囲気だった。
わずか、3歳違いでもこうも違うものかと、当時は思ったもんだ。

数日後、
行きたいところがありまた誘う、
お姉さんも行きたいところがあるとの事で約束をするわけだが、
俺は約束当日に圧倒的な寝坊!!!
集合時間の10時を1時間ほど過ぎたころに起床…

お姉さんはケータイなどを持っていない。
ダメもとで、相手宅に電話する。
しめたっ!そのお姉さんが電話口に出た!
と、思ったら、そのお姉さんの実姉とのこと。
そういえば、声が似ていてよく間違われるて言ってたっけなぁ。

聞くと、すでに家は出ており、
かといって家にも戻ってないとの事。

連絡があり次第、俺のケータイ宛に連絡がほしい事を伝え、俺も家を出る!
ひょっとしたら、まだ待っていてくれているのではないか!?
という、わずかな希望を持って…

30分もした頃、約束した駅の場所へ着く。
さすがにいないかー…
と、ホーム内のベンチでぼーっとしていた。
30分くらいその場でぼーっとしていただろうか?
お姉さんが住んでいる口の駅前ロータリーをぼーっと見ていた。
その時、ロータリー内にお姉さんの後姿が!!!

その駅は両脇に線路のあるタイプなので、改札を通る=階段を昇降する。
時間がかかる!見逃すわけにはいかない!
と思った俺は、何を思ったのか、線路へ降り、柵をのぼり、お姉さんのもとへ向かう!
もちろん、ちゃんと電車が来ていないこと、ロータリー内での車には注意して。

そして、
いよいよそのお姉さんのもとへ着く。

呼びかけると、そのお姉さんは振り向く。
しかし、全然違う人だった。
すみません、間違えましたと。その場を去る。

そして、
駅へ戻る俺。改札を磁気カードでパスして出てきたわけでないので、
入ることもできない。

う~ん、そりゃそうだよな…

とりあえず、
地元の駅に戻りたいことを駅員に告げ、
磁気カードをどうにか処理してもらう。

帰宅後その晩にお姉さん宅へ電話。
謝罪をするが、お姉さんは怒っている様子ではなかった。
とりあえず、ほっとした俺は最後にまた謝罪をし電話を切ったのであった。

1つ決めていた事もあり、
その年も終わる頃、またバイト先で誘ってみるが、
予定が合わない等で年内は無理だったが、
年が明けて次の月になる前の頃、今度は什器などの問屋街へ。
その時は俺が興味津々で色々と聞いたからか親切に教えてくれた。

しかし、
どうも歯車が噛み合わない。

たかだか、
知らない者同士が数回一緒に出かけただけなのだから、
しょうがないといえばしょうがないのかもしれないのだが・・・
女性と出けるとはこういうものなのだろうか?・・・

結局、
この日は問屋街うろうろしながら、
茶をするような流れで夕方になり、
帰る頃になる。

俺が、ちょっと話があるんだけど、時間ない?
と聞くと、お姉さんは
今晩は友達らとパーティーやるんだ。準備とかもあるし、また今度ね。
と話は終了。

その後も何回か電話でお姉さんを誘うが、
互いに日程が合わない。

最後に会ってから1か月もたっただろうか?
俺はもう少しお近づきになりたい思い、
その話をどのようにか切り出そうとして色々考えていたところ

一緒に出掛けたりするのはいいけど、あなたの事は男としては見れない

と、衝撃の一言が…

そして、それがお姉さんとの最後の会話となった。

男としては見れない
このフレーズが何度も脳みその中でぶつかりながら浮遊していた。

結局その晩は、何とも言えないやるせない気持ちのまま、
寝付けなかったので、いつもはバイクで行く峠の休憩所へ家の車でドライブ。

そして、
ボンネットの上に寄りかかって寝そべりながら、
缶コーヒー飲みながらボーッとしていた。
冬の寒さに凍えながら飲む温かい缶コーヒー、
澄みわたる空気に星が煌々と輝く。

あぁ、
今回の恋は本当に終わったんだな。
と腑に落ちたころには明け方手前だった。

そして
やっぱり、自分を磨かないとダメだな!と心に誓ったのであった。

続く

スポンサード






>> ネットショップはじめました


>> ご依頼お問い合わせはこちらへ

 

物語

この記事に関連する記事一覧



TOPへ戻る